民藝に泊まる
民藝フィロソフィ松本の日常の記憶
民藝精神にみる他力美。
風土や伝統、自然の力を借りて、文化の中に必然として生まれる。
日々絶え間なく永い歴史が重なり、磨き上げられた名もなき物たち。
そこにあるべくしてある、本当の美しさ。
質素だけれども人間味があり、水が流れるように自然で、使うほどに親しみが増す。
ありのままにごく自然に居られる時間を。
松本の地に根付く民藝精神
民藝とは、「民衆的工芸」の略語で、民藝運動の創始者である柳宗悦、陶芸家の浜田庄司、河井寛次郎らによってつくられた言葉。民芸品とは特定の作家が創作する観賞用の美術品ではなく、生活のなかで使われるために生み出され、その用に応じて磨かれてきた普段使いのための品々のこと。
民藝の美しさとは、何気ない美しさ。普段の生活の中で使い続けられることにより磨かれる輝き。名もなき職人達が代々伝え、研鑽を重ねた用の美。そんな日常にある民藝の美にこそ、本物の美しさがあると考えます。
「松本民芸家具」を育んできた松本の日常には、今も民藝精神が根付いています。この地に重ねられた日常にある美しさのように、松本ホテル花月では、民藝精神の息づくホテルとしてお客様をお迎えいたします。
民芸品とは~柳宗悦の「民藝美論」より
- 実用性。
- 鑑賞のためではなく、実用的である。
- 無銘性。
- 無名の職人によってつくられたものである。
- 複数性。
- 民衆の需要に応えるため、数多くつくられたものである。
- 廉価性。
- 民衆が日用品として購入できる安価なものである。
- 地方性。
- 色、形、模様などに地域の暮らしに根ざした独自の特徴がある。
- 分業性。
- 数を多くつくるため、熟練者による共同作業で作られる。
- 伝統性。
- 先人たちの技や知識の積み重ねに則っている。
- 他力性。
- 個人の力より、風土や自然の恵みなどに支えられている。
松本の民藝に出会う
民藝のまち松本では、松本民芸家具を現在も愛用し続けているお店をはじめ、民芸品を多く取り扱うお店があります。使い込まれ磨き上げられた、味わい深い民芸を巡る旅をお楽しみください。
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ちきりや
松本民芸館の創設者である丸山太郎が開いた中町通りの老舗民芸品店。全国の焼き物や染物、かごなどが並び多くのファンが訪れる名店です。
当館より徒歩で約5分 -
しづか
個室を備える民芸調インテリアが特徴のカジュアルな店内で、信州の食材を使用した各種の定食や一品料理が楽しめる。
当館より徒歩で約3分 -
松本民芸館
丸山太郎が優れた民芸品を蒐集し、1962年に独力で創館。陶磁器、木漆器、ガラスなど約6800点の品々が展示される。
当館より車で約10分 -
中央民芸ショールーム
松本民芸家具の製品を常時400点あまり展示。器や布類など「真面目な手仕事」をコンセプトに諸国から集めた品々も展示販売される。
当館より徒歩で約5分